何公演か前から、稽古場見学会というものを開催するようになりました。生まれてきた物語にはなるべく長く、永く生き続けて欲しいと願いながら物語を創る僕らにとって、「育ての親」はなるべく多いと思う気持ちはとても強いのです。
いや、公演初日を物語が世界に現れる「誕生日」とするのであれば、稽古期間というのはそれよりもっと前の時間とも言えます。

公演において、本番期間以上に長い稽古期間を過ごすことの多い僕たちですが、この、物語を生み出す時間こそにとてつもない物語が潜んでいることを僕ら走っています。様々なことを試したり、試したのにやめたり、台詞を増やしたり、減らしたり、登場人物同士の新たな関係に気付いたり、思わぬところで名場面が生まれたり。創作における奇跡のような時間がたくさん詰まっています。

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末原拓馬の演出風景を公開することは日頃あまりないので、演劇を志す方々もなにか感じとっていただけるかも知れません。また、座組のほぼ全員が演出家として経験があり、僕自身も出演者であるため、演者同士でディスカッションしながら場面を立ち上げていく様子はとてもクリエイティブなものです。

過去に何度かこういうことやってきて、実際に稽古場見学会の空気感が作品の方向性を決めたことがたくさんありました。未来の観客すべてが影響を受ける１日、あなたも「生みの親」のひとりとなるべくご参加いただければ幸いです。

​おぼんろ主宰　末原拓馬