終了しました!
ゴベリンドンとは…
2015年7月、全身全霊で紡がれ続けた物語は進化を続けた。
3444人の参加者が集ったおぼんろの第12回本公演
空間芸術的なおぼんろの物語は、映像でさらに新たな魅力を紡ぎ出す。
まちぼうけたあなたも、見過ごしたあなたも、いまここで「ゴベリンドン」と出会いませんか?
story
どうしてこんなことになったのか
歪むほどに強い愛は
あまりに美しく、絶望的に愚かだった
その村は深い深い鬱蒼とした森の中にひっそりと存在していた。
その兄弟は早くに両親を無くしていた。
兄は心優しく、弟は頭が悪かったが、天真爛漫な笑顔は人々をいつだって幸せにした。兄は弟に話す。
「僕らは永遠に一緒だ。」
しかし、弟がベンダラの儀式(16歳で迎える成人の儀式)を目前に控えたある夜、村は惨劇に包まれることになる。
そして、兄が姿を消したのである。
森の奥にある沼に棲む、恐ろしい醜いゴベリンドンの正体とは?兄を捜す旅の間に、村に残された哀しく残忍な伝説が明かされる。
そのとき、少年は───
本当の幸福とは?愛とは?
おぼんろが世界に贈る、21世紀に生まれた普遍的な童話物語。
おぼんろ第12回本公演『ゴベリンドン』上映会
映像監督 神林裕介
場所
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(台東区上野桜木1−5−6 シーダーレジデンス 地下一階)
日時
2015年11月13日(金)〜15日(日)
11月13日(金)
11時~13時 ゴベリンドン上映会
15時~16時半 トークショー
18時半~20時半 ゴベリンドン上映会
11月14日(土)
11時~13時 ゴベリンドン上映会
15時~16時半 トークショー
18時半~20時半 上映会ANDトーク
11月15日(日)
11時半開場〜13時 ランチタイムイベント (ラストオーダー12時45分)
13時〜15時 ゴベリンドン上映会
17時〜18時半 トークショー
チケット
ゴベリンドン上映会
(純粋に公演映像を作品を楽しんで頂きます) …1800円
トークショー
(上映はありません。語り部5人のトーク以外にも催し物を致します) …2200円
上映会ANDトーク
(映像を観つつ役者が当時の思い出話しを致します) …1800円
ランチタイムイベント…
(役者が作る食事&ドリンクを楽しんで頂くイベントです。素敵なプチランチタイムショーがあるかも)…価格は後日発表
※ランチタイムイベントは13時からのゴベリンドン上映会がセットになっています。
8月8日よりチケット予約開始
(販売方法は追って発表になります。)
上映後に1時間ほどご飲食、ご歓談タイムがございます。
会場にいる語り部たちに気軽にお声かけくだい。
また、11時からの上映会の開場時間にランチをご予約頂いたお客様には、上映終了後、語り部手作りのお弁当をご用意いたします。(価格は追って発表となります。)
是非、お食事を楽しみながらご歓談ください。
ご予約 CoRich舞台芸術!http://stage.corich.jp/troupe_detail.php?troupe_id=2105
会場 untitle
多くの方に、語り継がれる物語となります様
皆様の一人一人の作品になります様
おぼんろ一同心から願っております。
上映会終了レポート
音楽とともに楽しむ→
ゴベリンドン上映会、おかげさまで、大盛況の中、3日間のすべてのイベントを終了する事が出来ました。ご来場、応援頂いたすべての皆様に心から感謝します。吉祥寺シアターで行われた千秋楽公演から約5ヶ月。語り部一同、参加者の皆様と過ごし、感慨に浸ることができ、次への力の源を得たのでした。
5人揃うのさえ5ヶ月ぶり!ちぐはぐと準備開始!!
11月9日。なにせ日頃は連絡も取り合わない語り部たち。それぞれは会ったり仕事をしていたりはあったものの、5人が揃って一堂に会したのは実に公演千秋楽ぶり。それぞれが別の演劇活動や、私生活を過ごし、この日、実に久しぶりに出会ったのでした。今回の上映会はトークイベントや、短編作品の上演、ランチタイムイベントなど様々な試みがあるので、いつになく殊勝な心持ちで、「事前準備をがんばろう」と心を決めたのでした。集合時間になり、「おはようございます。では始めましょう」と主宰が真剣な面持ちで稽古&会議を開始。本公演ではないにせよ、大切なイベントにしたいけれど、メンバー同士でさえ久しぶりの再会。そもそもが世代もバラバラなメンバー。果たして、公演中のようなチームプレイなどできるのだろうか?参加者とともに歩む自分たちにとって、決して失敗の赦されないこのイベント。必ずや最高の3日間にしなくてはならない。たくさんの不安や重圧に打ち克たねばならない5人。その際のメンバーの態度がいかに真剣だったかは、以下の三枚の写真が痛々しいほどに物語っています。
・・・とてつもなく、ゆるいのでした。と言うか、お菓子を食べている始末。
拓馬「ちゃんと聞いてよ!」
ジュンペイ「ちがうちがう!これは、リラックスしてんだ。」
倫平「おにぎりとミカン、合う。あ、背中がかゆい。」
めぐみ「ねー、たのしみだよねー、上映会」
としもり「・・・・・・(眉間にしわを寄せ、宙空を見つめている)。」
特になんの感慨も自覚もなく、当たり前のように会話する語り部たちなのでした。
自分たちが5ヶ月ぶりに再会していることにさえ気付いていないのでした。
暗がり朗読『銃の涙』
今回、3日間の日程中、1日1ステージずつ、トーク&ショーと言うものが企画されました。公演が終わってから今日に至るまでの身の上話や、それぞれのプライベートに踏み込んだ話、そしてもちろん公演中の裏話や、劇団の今後の事などを、ひたすらフリートーク形式でお贈りする、トークショー。そしてチケット発売時には「催し物もございます」と発表されていたこの「催し物」として、末原が持参したのは『銃の涙』と言う短編作品でした。これは、『ゴベリンドン』本編の冒頭部分で語り部5人が本を持ちながら語る昔話の、元になった作品。『ゴベリンドン』よりもずっと以前に書き下ろされた作品。サディスティックな王様の命令に従って創られた、世界で一番美しく切ない銃、の、物語。この物語りを、5人は会場を真っ暗にした暗がりの中で自分たちの声と参加者の想像力だけで紡ぐことにしました。
語り部は、物語りのための存在
久しぶりの集結をした5人はゆるゆると会議をしていました。大丈夫か?と思わせるほどリラックスした空気。しかし、「では、稽古しようか」と末原が印刷したテキストを配り、それぞれに配役を告げ、物語りへの思いや意図を語るや否や、5人の目つきが変わりました。真剣にテキストを睨み、パラパラとめくって内容を確認。先ほどとは打って変わって稽古場は身動きができなくなるような静寂に包まれたのです。緊張感の中で、末原のクラップが鳴り響くと、5人は読み合わせを開始。そこから、ところどころ演出がニュアンスを伝えたり、語り部同士で相談をし合いながら、みるみるうちに作品が立体感を帯びて行くのでした。さっきまでどうしようもない雑談に花を咲かせていた5人とは思えません。
こうして5人は、連日連夜、上映会に向けて準備を続けたのでした。
シェフ担当者たちは食材を大量に買い込み、各自で仕込みにも勤しむのでした。
そして、ワクワクとドキドキを胸に抱きながら、ついに初日を迎えたのでした。
ついに!久しぶりに参加者と共にするイベントに、やや緊張気味のスタート!
物販コーナーには、公演中に完売になってしまったものも再入荷。さらには、公演写真やポストカードなど、新たに増えたものもありました。「Goverindon Wishes You A Merry Christmas」と書かれたクリスマス仕様のカードは大人気でした。ランチタイムの日以外にも、さひがしシェフによる「焼き鳥ビビビンドン(ビビビンドン、の発音は、ゴベリンドン、と同じなのだそうです)」毎日販売され、また、バーテンダーとしては末原、藤井がカウンターの中に入りました。とにかく語り部が場内を終止ウロウロし続ける、いかにもおぼんろらしいイベントでした。各回と回の間にも時間を多く設けてあるスケジューリングだったので、参加者の皆さんとゆっくり触れ合うことのできるイベントとなりました。お酒を飲み過ぎると人格が変わる「アルコール性ビリーミリガン」の異名を持つわかばやしめぐみは、何かとカウンター内に入り「拓馬くんにカクテルの作り方を教えてあげる」と言っては味見に次ぐ味見を繰り返し、終止、さひがしジュンペイから「めぐみ、それ何杯目だ?」と注意を受けては、チッ!と舌打ちをしておりました。語り部やスタッフは3日間まかないを食べて過ごします。文字通り、参加者のみなさんと「同じ釜のメシを食う」日々なのでした。
始まってしまえばこっちのもん。そうだ、やっぱり、ここが、このみんなが、好きだ!
↑初日に大量に荷物を運ぶために1時間以上タクシーに乗ったが、運転手さんがカーナビの使い方がわからなかったため、結果自分のスマホで延々と道案内をするハメになり、到着するや否や車酔いでダウンしたさひがしジュンペイ。
→初日のトークショーは、「そもそもあの公演はいつだったけ?」と5人が大まじめに考えるところから始まりました。そして、5人それぞれの近況について。そこから、少しずつ『ゴベリンドン』について語り始めたのですが、次第に記憶が甦り始めて、大盛り上がり。さんざん笑った後で、ふいをつく演出によって『銃の涙』が開始されました。本公演同様、想像力の練習から始まり、会場中が雪野原へと旅をしたのでした。物語りが終わる頃には、会場のあちこちですすり泣きが響いたのでした。
←上映終了後の場内。飲食を楽しみながらのんびりとしていた参加者たちのいる中、突然舞台上に上がりマイクパフォーマンスを始めた藤井としもり。自分の生い立ちを、オチもなく、ウケも狙わずとうとうと語り始めるとしもりに、その場にいる誰もが「あれ・・・あなた、そういうキャラだったっけ?」と戸惑うも、なぜだか聞き入ってしまい、誰もが力づくで藤井としもりについて詳しくさせられると言うシュールな時間でした。高橋倫平は終止ウケておりました。
久しぶりのイベントで当初は緊張感もあった5人でしたが、参加者と触れ合ううちに徐々に調子を取り戻し、3回目のイベントが終わる頃には自分たちもグラスを片手にみなさまと乾杯をし続けたのでした(としもり以外)。前日の深夜までの作業と、当日の早朝からの作業で、この日は全員クタクタになったものの、1日目は無事に終了。ビビビンドン担当のさひがしジュンペイは「いかん、ナムルがなくなった!」といそいそと帰り、高橋倫平は「明日は上野公園でお祭りがある!」と大はしゃぎで帰り、藤井としもりは「帰る。ゲームをやるんだ」と強い意志を表明し帰りました。そんな中わかばやしめぐみはカウンターの中で独り手酌で酒を飲み続け、末原拓馬は脱いだ靴下が見つからず会場内をウロウロとしておりました。
バーテンダーは、カクテルの知識をまったく持たない末原拓馬。「二度と同じものは創れない、世界で一杯きりのカクテルをあなたに!」客をアルコールよりも言葉で酔わせるとして高橋倫平が「言葉ーテンダー」と命名。謎を秘めたメニュー表は3日間の間で変化し続けたのでした。「ゴベリンハイボールエレクトリカルフレーバー」や「血染め梅シュ(2日目から、「シグルム梅酒→シグルメシュ」と改名)」など、ここでしか飲めないカクテルが盛りだくさんでした。
2日目も極めて順調にイベントは進みました。話す事が前日と被ってしまうのでは?と危惧されたトークショーも、まったくそのようなことはなく、むしろ話はいつまでも尽きないのでした。さあ、3日目はついにランチタイムイベント。サヒガしタカハしワカバヤし!と絶妙に韻を踏んだ三人のシェフは仕込みを完成させるべく大急ぎで帰宅したのでした。
魅惑のランチタイムイベント!
さあ、3日目はランチタイムイベントから始まりました。朝早くから会場に集まり、キッチンに立ちました。この日のランチ予約は実に50人近く!大量の食材を全員が自宅から背負ってやって参りました。例えばサツマイモポタージュスープを担当した高橋倫平は、6リットルものスープをリュックに背負ってやって参りました。途中で破けなくてよかったですね。さあ、仕出し屋と化したおぼんろは大忙し!しかし、朝一番でさひがしジュンペイの姿が見当たらないので探したところ、「彼は、ナムルを買いに行ったわ!」と、わかばやし。やがて、「あったぜ!」とナムルを持参し現場入りしたさひがしジュンペイの表情は「ハリウッド映画のラストシーン」に耐えうるほどのカタルシスに満ちていたのでした。シェフたちは明け方まで仕込み作業と格闘して来ていたためすでにフラフラしているものの、参加者の来場まで数時間。50個の弁当を作るために、彼らはプロの仕出し屋根性を振り絞って真剣勝負を続けたのでした。料理担当ではまったくない藤井としもりと末原拓馬両名は成す術なく、机を並べたり、絨毯の毛玉をガムテープで取ったりするのでした。ちなみに、藤井としもりは極度の潔癖性なため、この作業を始めたが最後、絨毯から離れる事が出来なくなっておりました。さあ、そして11時になる頃には会場の階段には長蛇の行列。ついに、ランチタイムイベントが開始されたのでした!
3人のシェフによる料理は大好評!会場内はテーブルの数に限界があるため、参加者同士に相席をお願いする事になってしまったものの、そこは「出会い系劇団」おぼんろ。小学校の給食の時間を思わせるほどに一同ケラケラと笑いながら、思い出に残るランチタイムを過ごしたのでした。
シェフたちの作業が落ち着き始めると、藤井としもりと末原拓馬がアドリブで登壇。しばらく漫才めいたやり取りを続けると、やがて司会者然としてマイクを持ち、3人のヒーローを呼び込んだのでした。拍手喝采を浴びる3人のシェフでしたが、マイクを向けられると、照れくさいのか、モゴモゴと歯切れの悪いトーク。それぞれ、自分の用意したメニューのレシピを説明し、「ご来店」に対する心からの謝辞を述べたのでした。
照れすぎたさひがしジュンペイは客席を観る事が出来ず、舞台上に居る末原を見つめて話しかけ続け、「前を向いて話して!」とメンバーから総ツッコミを受けておりました。写真は、「芝居でじゃないと客席見るのは恥ずかしーよー!」と叫ぶさひがしです。→
↓そして、集合写真パシャリ。あなたは、藤井としもりを見つけることができますか?
急遽アドリブでお料理トークショー!?
掛け替えの無い懐かしい時間について語らった、掛け替えの無い時間
こうして、3日間に渡る上映会は、アッという間に終わったのでした。連日のトークショーで、それぞれがおぼんろについて、おぼんろの未来について思う事も腹を割って語ることができました。以下、主宰からのコメントを持って、レポートを終了したいと思います。
「包み隠さず正直に言えば、ただのお楽しみイベントだ、くらいの気持ちで企画しました。しかし、とてつもなく大切な時間になってしまったのです。それは、参加者と共に過ごせた事が大きいと思いますし、もしかしたら、何か、神様か仏様か精霊様か、何かしらそう言う偉い存在のてこ入れがあったのかも知れないと思っています。朝からバーテンダーを務めていたもので僕はなんだか3日間ほろほろと酔って過ごしていたのですが、そんな分際でありながら「神様か仏様か精霊様か」などと超宇宙的な存在を引っ張りだして語りたいほどには、特別な3日間だったのです。もちろんそれは、あの5月の、公演中の三週間こそが素晴らしかったからに他ならないのですが。
今日ここで、改めて確信していることがあります。物語りは、世界を変える力がある。人を笑顔にする力がある。僕らは、そのために命を捧げようと思います。それは、思いの外、恐ろしい事でもあります。信じているからこそやれている闘いであって、信じる事をやめた瞬間に、僕の膝はガタガタと震えて僕は泣いてしまうのかも知れません。だけどこうして、あなたに会う度に、それでも僕らは勇気をもらい、また次の闘いに漕ぎ出そうと、心に誓う事が出来ます。僕らはこの作品に、とても大切な願いや祈りを込めて紡ぎました。公演自体は終わってしまったけれど、この物語りが、ながくながく、ずっと、あなたのものであることを願ってやみません。心の中に、あの沼辺や森の風景を残し続けて、またいつか、あの場所で再会できることができればと、そう、これも、願ってやみません。この作品を、きっと僕らはまた繰り返し紡いで行く事でしょう。そのときはまた、その作品は、この2015年版とは違った意味合いを持つのかもしれません。それもまた、たまらなく楽しみなのです。
この3日間ここで過ごし、次の公演を早くやりたいと強く思うに至りました。居ても立っても居られないほどのやむを得ぬ衝動です。この第12回本公演自体は、団体成長期の僕らに取ってえげつないほどに激しい変化のまっただ中で行った公演でした。モラトリアムに首を突っ込んで窒息しそうになりながら、いろいろなことを考え、もだえてみたり、ガッツポーズをしてみたり、でんぐり返しをしてみたりした時間でした。まだ、その旅は終わってはいません。告白すると、実は、ブレることもあります。必死で考えるからこその、押しも押されぬ真摯な、ブレです。でも僕らは、ブレはするけれど反れたりはしません。物語りが、僕らが、何をすべきか、誰のために存在している自分たちなのか、信じるところが確かだからです。
『ゴベリンドン』を愛してくださりありがとうございました。僕らもあなたを愛しています。上映会のご来場、本当にありがとうございました。「ありがとう」を越える感謝の言葉があればどんなにか素晴らしいのにと切実に願うけれど、それはどうにも見つからないもので、僕らはこの感謝の気持ちを、これからの行動で示そうと思っています。いつまでも、「物語り」と言う、僕らが持ち得る唯一の方法で、「ありがとう」の何十乗もの輝きを持つこの衝動をあなたに贈ろうと誓います。
またお会いできる日の事を、心から楽しみにしております。
おぼんろ主宰 末原拓馬」
主宰コメント
ご参加ありがとうございました
(ランチタイム終了後、バテて崩れるシェフな語り部たちと、元気一杯のシェフじゃない語り部たち)
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