Toward the one end - Suehara Yasushi


















前回本公演から数ヶ月、僕は延々と考え続けました。
いえ、悩み始めたのは、公演よりもずっと前からだとは思います。
僕らは果たしてなんのために公演を打ち、何を目指すのか。
劇団の規模は少しずつ大きくなり始め、
様々な機会も増え、演劇と言う世界のことも以前よりは理解し始めました。
この業界であらかじめ設定されているすごろくゲームのゴールに、
僕らは興味があるのか?
有名になることが目的なのか?
お金が欲しいのか?
名誉が欲しいのか?
どんなにグルグル考えても、
それらの問いに「イエス」とは答えることが出来ずにいました。
シアターコクーンを目指すと宣言し続けている、
本当の意味とは、なんなのだろうか。
答えは最初から出ていたとも言えます。
僕らの指針は「物語りで世界を変える」こと。
でも、これもあまりにふわふわした綺麗ごとのようにも聞こえる言葉で。
具体的に、何をすべきなのか。
こんなに大変な世界で、たくさんの涙が流れる世界で、
僕らの物語りは何が出来るのか
何かをするために、どうしていくべきなのか。
考えに考えてひとつの結論に辿り着き、僕らは動き始めました。
2016年は、その大きな目標のための命懸けの準備期間。
5人の語り部もかつてないほどに結束をかためていて、
劇団発足史上初めてですが、1年分の予定を立てました。
行き当たりばったりを持病として生きて来た僕としては奇跡です。
表現者として、クリエイティブな面についてものすごく考えました。
それらすべての結論です。
固定概念に捕われず考え続けることをやめないようにと思っているので、
もしかしたらまた考え方は変わるかもしれません。
でも、絶対に僕らはブレないで、
目的に向かって動き続けます。
信じているからです。物語りには、力があると。
それでは、僕らの発表内容は以下です。
どうか、この、同じ舟にあなたが乗ってくださることを、僕は心から願っています。









6月後半〜7月前半
「ルドベルの両翼」
2016年最初の公演は、とにかく濃密な表現方法の模索を図るための公演にする予定です。これまでのおぼんろが培って来た大切なものを改めて見直すことと、これまでとまったく違うことの両方を実験的に試しつつ、どうしてもやりたい物語りが思い浮かんだので、其の物語を紡ぎます。
10月最終週
「狼少年ニ星屑ヲ」
再演を目論みつつも何年も封印されたままになってしまったこの物語。僕はこの物語りに関しては、人類すべてのものだと思っている節があるのです。愛してやまないこの作品を、再びお贈りできることに喜びを感じています。なんの打算も野心もなく、ただただ心を込めてお贈りします。
11月〜12月 地方公演を含む約1ヶ月間!!
「タイトル未定」
目標動員5000人の勝負を賭けます。闇雲に前回の倍ではなく、次の年に「10000」を目指すための「5000」。2016年が終わりに差し掛かるこの時期には、今では思いつかないほどの次元で物事を考えられていることを、自分たちに期待していたりもします。劇場はすでに見学に行きましたが、どうすれば勝ち戦になるのか、現状ではハッキリはわかっていない。この1年間必死で成長して、ここに向かおうと思っています。





